顔面読書日記
毎週水曜日の更新です
01.7.18
今日はやっぱりスタータイドライジングについて書かねば。
なんて面白いんだ!
入浴も、歯磨きも、トイレも、布団の中もこの一冊あれば良し!しかし当然のごと、読み始めに苦労するわたしであった。
いきなり、列強種族に追い込まれ、超空間ジャンプを試み、イルカの宇宙乗りと会話・・・
なんの説明もなく、全て自明のこととして話が進んじゃうんだから頭が混乱するのも無理ないでしょ。
SFが苦手って人は、この読み始めでイヤになっちゃうんだろうな。
しかーし、のっけのはったりは、雰囲気、雰囲気。
ここを乗りきったら、ストリーカーの乗員になれるからね。
最初の「?」もそのうち「ははーん」です。
この夏は、イルカと共に、キスラップの海を探検なのじゃ。ところで、この夏ワタクシは子供会のお役目で、他の役員さん方と打ち合わせを何回かしなくてはなりませんでした。しかしワタクシには、他のお母さん方が、何言ってるのか理解不能。とりあえず、うんうんうなずきながら時間が過ぎるのを待つしかない。(この不毛な感じ、わかる?)
スタータイドライジングを読んで、理解不能な原因がはっきりしましたね。
歩くSF小説がいるからです。
なんの説明もなく、全て自明のこととして話が進んじゃうのは普通のこと。昨日の話も5年前の話も、学校の話も、実家の話もいっしょくたに話が進むところを見ると、時空間の制限からも自由なのである。
例えば、「子ども達に配るお菓子は一人当たり予算150円でいいでしょうか」を話し合う場合。(思いっきりスケールの小さい話ですいません。)
この件について、えんえん2時間もかかったりするのよ。
なぜなら、去年はああだった、2年前はこうだった、その前はこうで、またその前はこうだったのよ。お隣の子供会ではこうよ、○○さんはこう言ってたわね、前にすんでたところはこうやっていた、別の行事の時には100円よ、いや、あの行事も今年からは120円よ、今150円で買えるお菓子って・・・、舌が真っ赤になる駄菓子は・・・
これが延々続くんである。前置きは無しがルール(?)なので、適当に合いの手を入れて、何時どこでどうなのか整理しつつ聞いていないと、日本語の会話なのかも怪しくなってくる。しかも肝心の賛成なのか反対なのかは誰も言わない。150円近辺の情報だけが吐き出される。いつまでたってもストーリーが展開しないSF。
実験SF小説の世界だよ。
スタータイドライジングのほうが100倍わかりやすいのだ。
とにかく、何を話し合っても、情報吐き出し作業を終えなくては、何も決まらないのである。
明日も、実験SF小説界の面々と打ち合わせなんだよ。わたしの無事を祈ってください。ああ、そうだ。どうやって子どものお菓子の値段が決まるかというと、実験SFな方々が話し疲れた頃を見計らって、「150円でいいわよね」と一声かける人がいるのよ。タイミングのよさは修練のたまものだと思われます。もっと修練を積んで、「150円でよいでしょうか?」の直後に有無を言わさず即決できるようになってくれるといいのになあ。
スタータイドライジング、詳しくは本の話のここを読みましょう。
01.7.11 骨の袋/スティーヴン・キング 白石朗訳 新潮社 |
01.7.4 いいや、スカート一枚買ったら無くなる金じゃん。と自分に言い訳しても、18,000円のスカートなんて金輪際、買いっこないのだ。 この一週間の浪費は、絶対こいつが原因。 ぜんぜん状況がちがうだろー! ガッキィ・ファイターが日垣隆の公式サイトです。まあ行って読んでみてよ。 |