顔面読書日記27
多分毎週水曜更新。


李成潭
いつもこんな目にあってばかりの李くん。
生まれついてのの瑞雲はどうしたんだ?

02.9.10

久々に岡野玲子いってみよー!

ようやく手に入ったのよ。妖魅変成夜話の1巻、2巻。なんと心明るくなる妖怪・神仙ものでしょう。中国ファンタジーです。あっ、それからこれはマンガです。にまにましながら読んじゃったよ。

主人公の李成潭は運だけはとにかく良いという男。上司の龍玉にこきつかわれて、毎回つっぷしてがっくりが待ってます。久々に大笑いができて幸せ。


『妖魅変成夜話』1・2巻 岡野玲子作
平凡社 1・2巻とも¥860

岡野玲子といえば「陰陽師」あの中にも時折見られるボケとつっこみがここでは全開。水墨画風の画風も相まって雰囲気出してます。いいなあ。
少しはずれるんだけど、雪舟展を見に行ったとき数枚の神仙図や三教図(釈迦、老子、孔子)があったのね。それがさ、尊い姿というよりひょうひょうと人を食った姿で描かれてるのよ。哲学してる顔じゃなく、次にどんないたずらを仕込んでやろうと面白がってるような表情なんだね。手足は人間よりケモノ的だし。岡野玲子のマンガはこの印象も正しく伝えてまちがいなし。


パグ犬
どうやってもシリアスになれない珍しい登場人物。
やっぱりイビキがすごい。

02.9.10

湯船に落としたシリーズ、その2

トラウマもの、臨床心理ものの流行はこの人から始まったと思う。
ジョナサン・ケラーマン。『わるい愛』(上・下巻)
小児臨床心理医アレックス・デラウェアを主人公にしたシリーズ8作目。今回はアレックス自身が殺人者の標的になってしまう。臨床心理ものでもこのシリーズは「人の中身は謎である」が残ってるので、わりかし受け入れやすいのだ。
ストーリーがジグソーパズルのように1ピースずつ、収まっていくのがミステリーの醍醐味だけど、人の心がパズルのように解明されちゃ面白くないもんね。

犯人を出し抜くことができるのか、乞うご期待。


『わるい愛』上・下巻 ジョナサン・ケラーマン作 北澤和彦=訳
新潮文庫 上下巻とも¥590

シリーズの中では最初の「大きな枝が折れるとき」が一番印象に残ってる。
シリーズ4作目までは扶桑社ミステリ文庫から出てるよ。


仏陀の鏡
巻き込まれと巻き込みは
紙一重
中国の奥地にはこんな聖地がたくさんありそう。

02.9.10

風呂で読書を楽しむのは極楽なんだけど、避けて通れない危険がそこに。
いつでも、湯船に落としてしまう、シャワーのお湯をたっぷりかけてしまう可能性があるわけです。

本棚を整理してたら出てきました。お風呂でびしょびしょにしてしまい、干している間に存在を忘れてしまっていたヨレヨレの文庫本数冊。
今回はその中からこれを。

『仏陀の鏡への道』ドン・ウィンズロウ
中国の近代史が深く絡むミステリー。主人公ニールはアメリカのとある銀行の調査員。調査中に謎の中国美女に恋をしてしまう。ニールは中国美女を追いかけて香港へ。打たれてもつぶされても追いかけていくのです。
小さなきっかけから、壮大なストーリーへ。途中下車禁止なのよ。のっかってしまったら最後。徹夜しちゃうよ。巻き込まれ型ミステリーもここまでくると立派なのである。しかもニールのあずかり知らぬところで、ニール自身が渦のかきまわし役になってるのだ。ストーリーをばらしちゃまずいので詳しく語れないのが辛い。ヒントは毛沢東と江青は何をしたか。

なんでまた、この文庫の存在を忘れてたのか。返す返すももったいないことをしてたなと後悔。


『仏陀の鏡への道』 ドン・ウィンズロウ作 東江一紀=訳
創元推理文庫

値段はいくらだったか。風呂に落としたときに再生不能と判断してカバーを捨ててしまったのでわからないのよ。多分¥900くらいだったと思います。
ニールについてもっと知りたい方は、シリーズ一作目の 『ストリート・キッズ』から読みましょう。