顔面読書日記
おそらく毎週水曜日深夜に更新



名言だ。

02.4.17
自信を持ってすすめたい。ここにおいでの皆々様よ、必読書であります。
『まれに見るバカ』

最初のまえがきのタイトルで、もう叫んでましたね。

まえがき-「バカが幸福になると手がつけられない」
そうなんだよ。そいでもってバカのほうが幸せそうなんだよー!

面と向かって他人をバカ呼ばわりしたことがある。大まじめに罵倒した。
それでどうなったかというと、状況は何も変わらなくて、人前で暴発した自己嫌悪が残って、バカを傷つけることすらできなかった。無力。脱力。バカは強い。

自分がバカかどうかは脇にずずーっと押しやって、とりあえず今まで出会った『バカヤロー』を頭に浮かべつつ読み進む。あの時この時、こめかみがピクピクなった理由の全てが解明される。
今バカに悩ませられているあなた、今読んでる本は後回し。まずはこれを読んで元気をつけようじゃないの。



『まれに見るバカ』勢古浩爾・著 洋泉社新書 ¥720

(第1章の目次)
第1章 バカはなぜ罪なのか
バカは現象する
これが全身バカだ
バカは女に宿る
バカは男に宿る
バカは子供に宿る
バカは日本人に宿る
バカは遺伝する----バカの子はバカ?
バカはなぜ伝染するのか
バカはなぜ罪なのか

読みたくなるでしょ。
 


クオイル
太ってあごが巨大
つい手で隠してしまう
クオイル

02.4.10
今話題の映画『シッピングニュース』の原作を読んだよ。
でね、なんでこの主人公をケヴィン・スペイシーが演じるのだ????
主人公のクオイルは身体も顔も不格好、不器用。中身は心優しいのに卑屈なところが目に付くダメダメくん。なのだ。クオイルの性格は彼の容貌にも深く関係している。ケヴィン・スペイシーはセクシーな男優ランキングには必ず顔を出す男だぜ。何なのだ。

映画はさておき、この物語はひとつの答えをわたしたちに差し出してくれる。
アダルトチルドレン話はこの頃量産されてるけど、わたしはアレが苦手。
ほじくったら全ての人はアダルトチルドレン。

『シッピング・ニュース』ではアダルトチルドレンだろうが、トラウマ持ちだろうが何と生きていくのさ。暗い話なのに、一本筋が通っていて気持ちいい。
許す、許される話ではなく、困難持っていて当たり前。過去を持っていて当たり前。それでも笑える。楽しめる。感動もしちゃうよ。ってことを教えてくれる。
みんなー! 基本はミジンコ。間違ってないぜ。
ミジンコの意味がわからない方はここを読んでくれ給え。



『シッピング・ニュース』E・アニー・プルー作 上岡伸雄訳
集英社文庫 ¥940


からすにつつかれる
既読感は魔法にかかった
証拠?だといいな。

02.3.27
しばらく前の日記に書いた謎について。

『リトル・カントリー』を読んでいたときのこと。これもハリポタブームの恩恵を受けて翻訳出版となったファンタジーのひとつ。今まで読んだこともタイトルを聞いたこともございやせん。

主人公が読み始めた本は世界にたったひとつの本。読み始めると魔法の物語が。主人公の世界と本の世界が入れ子になって物語はすすんでいく。ネバーエンディングストーリーみたいなのを想像してくれ。

ここでなんとも薄気味悪い思いをしたのだ。
この本は前置きの通りに昨年発売になったばかり。なのに、なのに、時折、既視感ならぬ既読感が濃厚にわきあがってくる。
初めて読む気分と読んだことある気分が交互にやってくる。居心地悪い!
読み終えても既読感の訳はさっぱりわからなかった。結末は初めて目にするものだったし。なぜなんだろ?

それから半年後、本棚整理で出てきた『夢の国』を読んで謎は一気に解決。
『リトル・カントリー』の本の中の世界は『夢の国』と雰囲気が同じなのだ。

寂れた町、暗い海、走り回る子ども達、からす。町の変人。路地裏。閉塞感。

このふたつストーリーは全く違う。でもわたしの頭の中では双子本。



『リトル・カントリー』上下巻 チャールズ・デ・リント作 森下弓子訳
創元推理文庫 上下巻ともに¥940

下巻に楽譜がついてます。これが物語の重要な役割をはたすのだ。
楽器が得意だったらなあ。わたしがたどたどしく弾いても音楽にならない(泣)