顔面読書日記
毎週水曜日に更新予定(時々ずれこむことあり)


みえをきる

決めが大事!

01.12.19
声が弱点なんだよね。
自分の声を録音したものを聞いてショックを受けたことはないですか? わたしは避けて通ってます。甲高くて子どもっぽい声。その上、加齢と共に声にちりめんじわが入ってきた。
もっと低くて説得力のある声にならないものか。子どもを怒鳴りつけてもちっとも様にならない。ポメラニアンの無駄吠え、言葉に重みが加わらないのだ。
低い声で一言「このバカタレ!」と言いたいのに。
言葉の重みを言葉の数で補おうとするからくどくどしくなって、自分でもバカみたいだよ。こんなことを繰り返すうちに子どもは母の言葉に耳を貸さなくなるのだ。なんとさみしい。

「声に出して読みたい日本語」日本語の暗唱、朗読のスタンダードなものが紹介されてるのだ。声に出すときの心得つき。声を出して読んだら気持ちいい。すっきり。すっきり。

欧米文学にはよく詩やシェイクスピアを暗唱する場面が出てくる。赤毛のアンもやっていた。なんだか格好良い西洋の香りがした。日本にはなじまないと思いこんでいたが日本にだってちゃんとあったのね。初めて知りました。

丹田をきたえて、低い声で
「知らざあ言って聞かせやしょう。母がお前の年の頃‥‥」
って説教できたらかっこいいじゃない。まずは弁天小僧のセリフを暗記しなくちゃ。般若心経の「ぎゃあていぎゃあてい」もやってみたい。赤毛のアンから遠ざかったが仕方ない。

さあみんなもヘソの下に力を入れて大声で決めよう。
「知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ヶ浜。」

声に出して読みたい日本語・斎藤孝・草思社・¥1200
全部ルビつき現代語訳つき。←嬉しかった。


バザーは大変

バザーの手伝いをすると
鼻炎になる。

01.12.12
今週はクリスマスに読むと気分が盛り上がりそうなものを捜して本棚を漁っていた。まず出てきたのが「毛糸よさらば」 ついつい再読してしまった。

クリスマス教会バザーのお手伝いでてんやわんやの主人公。バザーのお手伝いをやったことある人なら、主人公ジェーンの苦労に涙ズルズル。ちょっと大げさか?
値段付けはバザーのお手伝いの中でも最もスリリングで興奮できる。しかし善意の手作り品に対してどんな値段を付けるか(どんな評価を下すか)で人間性が試されるお手伝いでもあるのだ。
わたしは過去に失敗した。
「げっ、ドラエモン柄のチューリップ! 1本10円でも残るんじゃない。」
背後から
「それ、わたしが作ったんだけど‥‥」
真っ青。著しく評判を落とした。

ジェーンのグループの意気込みは
「うまく騙して、欲しくもないあほ臭いもん買わせるようにしなきゃ。」
好きだなあ。

話がそれちゃった。もどそう、もどそう。ジェーンがバザーの準備でひいひい言ってるところに持ってきて、昔の友達が訪ねてくる。この友達はとてもいい人なのに、ああそれなのに、困ったちゃんなのだ。困ったちゃんぶりが実にリアル、身近なあの人、この人を思い出すかも。
シリーズ2作目だけどコレのみでも充分楽しめるよ。生活臭たっぷりでおすすめシリーズなんである。

「毛糸よさらば」ジル・チャーチル作・浅羽莢子訳
創元推理文庫・¥480


ホットカーペット

ホットカーペットパズル

01.12.7
ホットカーペットの季節。猫はここから動かない。わたしもここから動けない。ホットカーペットの上で寝ころんで本を読んでいるとうたた寝してしまうのはどういう訳?
起きたら首を寝違えてるのはどういう訳?
ひいい痛いよ。
すいません。二日遅れの顔面読書日記です。水曜以来首が回りませんでした。

トラ猫ミセス・マーフィーのシリーズ最新作「森で昼寝する猫」相変わらずミセス・マーフィー、デブ猫ピュータ、コーギー犬タッカーの会話は絶妙。辛辣。ハリーが郵便局長を勤める町にもコンピューターウイルスを使った犯罪が‥‥。

小さな町らしいのにシリーズ1作目からバタバタ人が殺されてる。ミステリですから今回も殺人が。
こんなに死人が出ていいのか?
シリーズは主人公ハリーの生活がサブストーリーになっている。元夫と隣の農場に越してきたモデル(しかもどっちも町で一番のハンサムらしい)がハリーを巡って張り合うのだ。今回この関係はみんなに周知のこととなってしまう。
こんなにもてていいのか?
ただ二人とも帯に短したすきに長しなんだよねぇ。
ハリーが折り合いをつけるのか。(ありそうもない)
それとも新しくかっこいい男が登場するのか。(贅沢だ)
このシリーズ、のんびりしたい時に読むといいです。挿し絵が可愛い。

「森で昼寝する猫」リタ・メイ・ブラウン&スキニー・パイ・ブラウン作
茅律子訳・ハヤカワ文庫¥800