友達Aの愚痴を聞いていました。
30代後半から50代半ばまでの女ばっかりの職場で(しかも100人近くいるらしい!)人間関係をうまく保つのは艱難辛苦。まず大きな派閥が3つくらいあって、常時勢力争いをしているらしい。この大派閥の下にも他にも小派閥が乱立して、さながら戦国時代の様相。友達はこの大派閥、小派閥をうまくやり過ごすために、大いに苦労しているわけです。にらまれたら有給休暇や休日出勤の割り当てに直に影響が出るという恐ろしい世界なのです。ああコワイ!友達Aはなんと、盆休みを取らせてもらえるように5月の連休を棒に振ったのですよ。もちろん強大派閥の方々は自分好みのスケジュールが組めるのです。もしわたしだったら3日ではじき出されて、1週間後には胃潰瘍で入院するに違いありません。
実際心身症で入院しちゃう人も出るんだとか・・・・。コワイでしょう。その後ふと、女ばっかり1350人の女子高時代を思い出しました。3年間女だらけで過ごしたのです。しかし思い返してみても、他人を心身症まで追い込むような人間関係は記憶にありません。けんかも悪口も山ほどありましたが友達の職場のようなエスカレートした派閥は体験がないのです。高校の頃は将来への期待感と不安感が共通していたし、現在よりも未来を見ていたい気持ちが大いにあったからでしょう。
一言で言うなら乙女の時代だったから。(笑うんじゃあない!) 自分の高校時代を振り返って、途端に寛容の人物となりました。しかも「ウーツィーバットブックス」全巻を読み終えた直後です。寛容が二乗されたと思ってください。
今現在、友達Aの職場をのし歩いている強面のおばさん方にもきっと乙女の時代はあったに違いないのです。片思いもしただろうし、憧れの人の前で真っ赤になったりしたに違いないのです。若い頃、仕事に慣れなくてどぎまぎしたり、大学のサークルで燃えたりもあったかもしれません。
コワイおばさん一人一人にもそれぞれの過去があり、その物語があるのです。乙女の祈りがやがて呑み込まれてしまい現在のおばさんに至る壮大なドラマを隠し持っているに違いなのです。あなたの中にも、わたしの中にも物語がしまわれているのです。ロマンチックではありませんか。大発見!!元は乙女なのよ!
この考えを自分一人の胸にしまっておくのは惜しいので、読書仲間の友達Bを呼び出しました。
「こう考えると他人に対して優しくなれると思わない?」
そしたら友達Bは即座に言いましたね。
「あのねえ、そのおばさん達は腐った乙女だったの!」
追い打ち。
「まあ、小学生から腐ってたに違いないね。」
・・・・・・あがぁ?
そんな前から腐ってたらもう腐りきってるってこと?ドロドロなの?
「あったりまえじゃない!
こんな事で呼ばないでよねえ。」目からウロコ。腐った乙女だったのか・・・・・・。
「みんな乙女だったなんてすごいロマンチック!」とはしゃいでいたのに、その一言を聞いた後に思い出しましたよ。
小学校、中学校、高校、大学・・・・。腐っていたかもしれない面々を・・・・。
でもねえ、個々のドラマは確実に存在するのよ。新鮮でも腐っていてもそれぞれに物語が潜んでいるのよ。ひとりひとりの物語。ここだけは譲れません。わたし。
アメリカLAが舞台の物語。おしゃれで不思議で真剣でポップで。瑞々しい心を取り戻したかったらこれを読みましょう。中学、高校時代に読めたら最高だったのにと思わせます。
余談ですが、大島弓子はこの世界をすでに20年前、マンガで表現していました。やっぱり大島弓子はすごいのだった。ウーツィー・バット ブックスは読めなかったが大島弓子が読めた日本の元少女達は幸せ者なのである。