妄想天国

いっぱいあって紹介しきれない。どうしよう。今読んでるのを挙げておきます。
ランドオーヴァーシリーズ
テリー・ブルックス
ハヤカワ文庫


物心ついてからいままで、たくさんの本を読みあさってきたが、振り返ると読書傾向は大人になった今でも似たようなもんである。一番好きなものは決まっている。
キーワードは、冒険、発見、成長、希望、地図。主人公が冒険を通じて成長していく物語に目がないのである。ステレオタイプと言われようがなんだろうが変えられない。
寝る前に布団の中で手に取るのは、決まってこういう物語達である。しかも地図があったら万々歳!無いときは自分で描くこともある。

この夏のことである。友達に「あなたの性格は妄想癖のある楽天家。」と直撃された。

「ええっわたしって妄想癖があるの!」
「あるある。ブラッド・ピットについてこんなに熱く語るなんちゅうのは妄想以外の何者でもない!」

確かに、『目を覚ましたら隣りにブラピ様が寝てた、なんてことになったら、キャー!』なんて事を言いました。
おまけに『もう想像しただけで興奮しちゃうね。よだれ出ちゃうね。』
なーんて事も言いました。
でも言ってるだけの楽しさってあるじゃないの。それだけで妄想と言われるのは心外である。

まあ、百歩譲って妄想癖はあるとしよう。しかし楽天家というのは納得行かないのだ。自分ではくよくよ悩むたちだと思っているのに楽天家はないでしょう。友達は学生時代から20年以上も友達である。わたしの涙ながらの訴えに耳を傾けてくれたこともあったじゃない。中身を存分に知っているというのに楽天家とはこれいかに。

「他の人はもっと悩んでるの!」
ええっ!そうなの?

「普通はね、もっと長い間悩み続けるものなの。あんたって突然立ち直るじゃない。」
あの・・・それは長い間考え続けると、どういう訳か頭が痛くなってきて・・・思考が続かないって言うか・・・面倒くさくなってくるのです。立ち直ってるわけではないんですが・・・
もう友達に何を言っても無駄。

わたしの性格は「妄想癖のある楽天家」とはんこを押されてしまった。

不承不承認めたこの性格だが、この性格を支えているのはきっと読書によるものだろうと思う。

どんなに暗い小説を読んでも、どんなに将来の見通しがきつい評論を読んでも、寝る前に希望にあふれた冒険談を読めばバランスがとれるというものである。
現実の生活が尻をまくって逃げ出したいような事態であっても、ひととき本の中の熱気にふれられれば何とかなるような気がしてくる。
今まで結構な数、引っかかった「時間返せ本」「金返せ本」に対する怒りも少しは和らぐんである。

「妄想癖のある楽天家」語感はまったくもってひどいものだが、一種の誉め言葉に違いない。そう信じて今日も布団の中で読む本を物色するのだった。ああ幸せだあ。


ランドオーヴァーシリーズ
 テリー・ブルックス
ハヤカワ文庫
1・魔法の王国売ります! ¥800
2・黒いユニコーン    ¥700
3・魔術師の大失敗    ¥720


現在、4・大魔王の逆襲、5・見習い魔女にご用心、まで出てるらしいです。まだ2巻の途中なので確かなことは言えないんですが。
きっとわたし好みに違いないでしょう。
「魔法の王国売ります!」では、なんと100万ドルで、しかもデパートの通販で魔法の国を買ってしまうのですよ!わたしも買いたいですぞ。でも100万ドルっていうと、円に換算すると・・・・うぎゃー買えませんでした。この魔法の国、お買い得かどうかは読んでのお楽しみ。